文学者、小林秀雄の言を借りれば、「考える」ということばは、古語で「かむかへる」から来ているそうで、その由来を知るとなかなか意義深いものがあります。
「かむかへる」の「か」は撥語(はつご)といって、言葉を整えるためにあまり意味はなく置かれる言葉ですが、つぎの「む = み(身)」「かへる = かふ(交ふ)」・・・つまり、考えるということは対象と「身交ふ」、もっとかみくだいて言えば対象と「親しく付き合う」というところに本義があるようです。
塾には6歳から19歳の子ども・青年が通っていますが、入りたての時から「もっと学びたい」「勉強がしたい」という意欲に満ち溢れたお子さんは、そう多くはありません。また、塾ではたとえ受験生に対しても小手先の受験テクニックを教えることに重きをおいていません。
それでも一定期間、塾での勉強を続けるうちに、考えることの好きなお子さんが多くみられるようになるのは、けっして誇張ではありません。
目の前の解けない問題から、生徒同士で共有される日常の問題にいたるまで、幅広い視点で、ひとやものと「親しく付き合う」姿勢がしぜんと身に付いてくるようです。
そしてそのことを、私共ユリイカでは大事にして参りました。
さあ、明日から共に、いろいろな身の回りのことから、ひとや自然の叡智に至るまで考えてみませんか。
ユリイカ学習塾
入山 信彦